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言わずと知れたドイツの名窯 マイセン。
![]() 今週やって来たマイセンは、とても細かい細工の施された逸品である。 色も形も素晴らしい。 ![]() が・・・後ろから見たら、何だか不安定な感じがしないでもない。 鳥かごを置いている台の足が、台座ギリギリになっている為だろうか? 鳥かごも滑り落ちそうである。 (そう感じるのは私だけかな?) ![]() 斜めから見たら、鳥かごの台の足は依然として気になるが、不安定さは無かった。 ![]() 頭のレース部分に凄いなとため息を漏らし、 ![]() 指の爪もしっかり表現されていて、さすがドイツ!と感心し、鳥の可愛さにニッコリし、 ![]() スカートのレース部分もただただ凄いなと見ていたら、裾のレースは水色の矢印の部分を除いて他は全て割れて無くなっているし、間にはまったレースも一部欠けていた。 ![]() 更によく見ると、後頭部の部分のレースにも欠けがあった。 ![]() 今回の依頼は台座の角の欠けを2カ所修復するだけなので、金の装飾を落とさないように注意してパテ埋めをし、形を整えた後色を付けて終了となるのだが、この超細かいスカートの縁取りレースを修復すると言われなくて本当によかったなと、胸を撫で下ろしたのは言うまでもない。 ▲
by kiwidinok
| 2010-02-13 08:30
これは古い英国製。
漕ぎ手の腕が折れたのを修復するのだが、この腕が折れたのは2回目のようだ。 ![]() ![]() この船は過去に半分に割れた跡が残っている。 英国製というのは、素材が比較的脆いので非常に壊れ易いものが多く、スタジオに持ち込まれる物の半分以上が英国製と言ってもいいほどである。 まぁ、名前の知れているお宝も英国製が多いということなんだろうが・・・ ![]() こちらのカップも古い英国製。ハンドルが無くなっているのを、もう一方の形を見て作るようにとのことで、これはさほど難しくはないはずだが、どのようにしたら最も楽に仕上げられるかを考え中である。 手作りの物なので、カップがかなりイビツであるが、そんなものでも "Hand made" ということで非常に高価なのだと言っていた。 ![]() 本来、手作りの物は高価であるはずだ。だが今では大量生産の安価な物と値段を比較されるため、制作時間を最低賃金で計算しても、それでもまだ高すぎると言われてしまう。 実際、売れそうな値段で市場に出そうと思ったら、私の場合、時給に換算したら $5.00 にもならない物が多いというのが現実なのだ。 今、高校生でもバイトで最低賃金の時給 $12.50(¥840弱)はもらえるというのに・・・ もう時代が変わったのだ・・・昔のお宝を扱うようになって、尚更そう思うようになった。 ▲
by kiwidinok
| 2010-02-07 08:50
| Antique Restoration
全然私の趣味ではないが、こういうレトロなお人形ばかりを集めている人がいる。
かなり古いので、大概どこかしらにダメージがあって、頻繁に直しを頼まれるようだ。 最初のお人形は、片手の指が4本無くなっていた。 もちろん見本などないので指の形を想像して作るしか無いが、このような場面に遭遇したことがないので(笑)、一応ボスに「どんな形にしたらいいでしょうか?」とお伺いを立ててみた(笑) 怒った顔だったら中指を立てたり(できないか・・・(笑))、冷淡な顔だったら4本の指はこれでもかというくらい真っ直ぐして「お断り!」というのを表現するのだが、頬を赤らめて(「オテモヤン」という言葉が脳裏をかすめた)恥じらいを装っている(けれども実は大胆な)人の指はどうなっているのかと悩む私・・・ 見ているうちに何か違和感があるなと思ったら、腰の形がやけに四角いんじゃないでしょうか? それにしても、この指、非常に小さく、おまけに薄くて形を作り難い。 (T-T) (体長:11.5センチほど) ![]() そしてこちら、片足が膝の所で折れたのを接着し、両方のつま先の欠けを補修。 ![]() (体長は上と同じくらい) 「いつまでカワイコぶってるんだ」「早く服を着ろよ」と、ちょっとムカつくような人形だ。 どちらが好きかと聞かれたら、何をしたいんだかよくわからない格好の最初の写真の人形の方だな・・・と、聞かれもしないのに一応考えた。(書いていることがまるでオヤジだ(笑)) こちらは台座の足の部分が折れてしまったのと、縁の欠けを補修。古い英国製の陶器。 どこがいいのかわからない。 ![]() 余りにやることが多かったので、これは底を見ることもせずにパテ埋めを始めてしまった。 把手がアロエみたい(笑) ![]() そして、今日入って来た壊れ物 LLADRO の PEDRO WITH JUG。 メキシカンな男の子(?)の顔がとっても可愛い。 ![]() ![]() ▲
by kiwidinok
| 2010-02-03 16:42
| Antique Restoration
先週から今週に掛けて手掛けた修復は・・・
まず LLADRO Caressing The Little Calf (retired: 1981) 子牛の耳の片方が取れたのを接着し修復。パテ埋めまでを難無く仕上げた。 ![]() そして、名前のわからない古い LLADRO。 これは、星の部分が2カ所欠けているのと、手に持った先端に星が付いている棒が取れてしまったのを接着するだけで、これもとても楽な仕事であった。 ![]() ![]() CALICO CAT は修復ではなく修理だったのだが、普通は割れを接着するのみで、割れ目の隙間は埋めないところを、けっこうな隙間があったのでパテ埋めはサービスで行った。 可愛いお皿である。 ![]() ![]() BAVARIA (Germany) の壺(花瓶?)は、いかにもドイツという感じ。 金の装飾がある物は、金が容易に落ちて、しかもペイントで同じ色を出し難いことから、非常に神経を使って作業をすることが要求される。これは口の縁が金で装飾されているだけなのでまだいいのだが・・・ ![]() こちらのフランス製?(定かでない)のコンポート(足付き盛り皿)は金の部分が多いので、より慎重に作業をする必要があった。 ![]() そして、日本のXL(エクストラ ラージ)級の大きさのお皿。 私のデスクの上で作業できる限界に近い大きさで、このような重いお皿をどうやって立てておくんでしょう・・・と考える以前に、どういう部屋に合うんでしょうと思ってしまった。 ![]() *大体の写真はパテ埋めをした直後の写真で、パテが乾くのを待っている間に撮ったものである。 この後、パテが完全に乾いてから、余分なパテを几帳面に取り除く作業をするのだが、これが骨のおれる仕事で、指で触れて(或は竹串とか爪楊枝のようなものを使って)割れ目の段差が全く感じられないくらいに平らに均さないとならない。 そして、段差を全て無くしてから色をつけるのである。 コリアンの年の若い友達ダニエルが、私が修復の仕事をしているのを知って、「冷静と情熱のあいだ」という映画と小説を思い浮かべたとメールに書いて来た。 わたしはその映画も小説の存在も知らなかったが、調べてみたら絵画の修復士が主人公だった。 こんな地味な職業でも脚光を浴びることがあるのかね・・・と、実際に修復の仕事に携わってみるとその『地味さ加減』を実感してしまう。 ボスの工房ではもちろん絵画の修復もする。私もその内にありとあらゆる素材の修復をするようになるのだろうが、忍耐力が勝負のこの仕事を始めたおかげで、以前にも増して我慢強くなったのは、多分良いことであるように思う。 ▲
by kiwidinok
| 2010-01-28 17:04
| Antique Restoration
面倒な人形の直しは後回しにして(急ぎではなく、尚かつ知人からの依頼で無報酬な為)、先に片付けた3点。
どれも簡単な縁の欠けの補修で、こんなのばかりだったら楽で嬉しいなと思いつつ、パテを埋め、乾くのを待ち、サンディングまで難無く終了。 ![]() ↑ これは古いイングリッシュピース。 色合いが落ち着いていて嫌いではない。(でも私は多分買ったりはしないだろうなと思う) ![]() ↑ これも Made in England だが、そんなに古い物ではない。かなり大きな皿である。 色合いも柄も嫌いではないが、私の家では使い道が無いし、飾っておくスペースも無い。 この依頼主は、ご丁寧に、欠けた部分を示す為にテープで×をつけ、更に矢印まで書いてくれてあった。(矢印だけで充分な気がするが・・・さぞかし几帳面な人なのだろう) 修復を依頼する時にこのように依頼した箇所を明らかにしておいてくれると、もし万が一それ以外の傷が見つかっても(こちらは修復のプロなので、時々依頼された以外の傷を見つける事があるのだが・・・)写真を撮ってさえおけば、後で「ここが直っていない」と苦情を言われる事も無く、双方にとって不利益になることはないので、大変によろしいと思う。 そして、これは Moorcroft というやはり Made in England のもので、古い物ではないが高価なものだとボスが言っていた。 (このような、とても似た作りのものを日本でよく見た事があるのだが、果たしてこのメーカーのものかどうかわからない。値段も別に気にして見たことはなかった=興味が無いってことかな(笑)) ![]() ![]() 確かに美しいと思うのだが、私の感覚ではさほど高価には見えない。(私の感覚がイカレているということかな・・・?(笑)) こうして見てみると、けっこう値打ちのある物ばかりを手掛けているのだが(高い修復代金を払ってまでも依頼して来るのだから、値打ちがある物がほとんどだというのは当然なのだが)、自分ではほぼ買わないだろうと思うものばかりで、それらを手に取って何週間か眺めていると購買欲がどんどん失せていくのを感じる。 私は made in England の物よりも、Made in Germany の物の方が好きだ。 ▲
by kiwidinok
| 2010-01-13 17:58
| Antique Restoration
昨日、修復スタジオに行くと、ボスのデスクの上にスゴいランプベースが置かれていた。
![]() 「ワッ!!」とか「ウッ・・・」とかいう声を発してしまいそうなデザインであるが、この一番下を見たら、昨年末に修理したランプシェードを思い出した。 多分あのシェードはこれに吊り下げられていたに違いないと思ったが、これって本当に100年も経っているんだろうか?などと考えながら、昼近くまで一人で作業していた。 ランプベースを持ち上げてみたら、そこそこ重量はあったものの、あの重たさのランプシェードを吊り下げるのに果たして充分なのかどうか疑問に思った。 多分バランスが取れているのだろうね・・・ 昼頃になってボスが来て、やはりあのランプベースと対だったという事がわかり、私の修理したのを依頼人は非常に満足して、壊れたベース(羽の部分)も綺麗に修復し、また使えるようにしたいということで依頼してきたとのこと。 いい仕事をしなかったら、お客は二度と頼んで来ることは無いので、引き続き依頼があったことは私にとってとても嬉しいことであった。 この一番下と、まん中のボールの部分にはガラスがはめられているが、ここはスイッチを入れた時に同時に光るようにでもなっているのだろうか? 取り付けて使えるようになったところを、ちょっと見てみたいなと思う。 ▲
by kiwidinok
| 2010-01-12 01:05
| Antique Restoration
修復の仕事は今日が仕事始めだったが、今日の作業は(ボスの知り合いからの頼まれものなため)無給のお仕事ばかり・・・
私、この仕事で満足に稼げるのだろうか・・・? と、実は昨年末から不安になってきている。 しかも、今は仕事があまり無さそうで、依頼品を置いておく棚もガランとしている。 一つはアンジーの友達からの依頼らしい NAO の READY TO SHOOT ![]() 首が取れて衿が欠けているのを、接着してパテ埋め&成形。この顔は好きではないなと思いながら、衿の形を想像して作った。家に帰ってインターネットで調べて衿の形を確かめたが、本来は調べられる物については、最初に形や色を確認すべきで、やむなく想像で作らなければならない物以外は手を抜くべきではないと思っているので、仕事場がインターネット接続不可なのは私にはかなりなストレスとなっている。 (家に帰ってからも調べる仕事をしなければならないし、もし形が明らかに違っていたらやり直さなくてはならない) そして、ボスの知り合いからの LLADRO: FAIR PLAY ![]() これはとてもいいピースだ。 自分の子供がまだ小さくて、サッカーのチームに入っているような子だったら、きっと買いたいなと思った事だろう。 これも首が取れていたのを接着したが、パテ埋めは明日に持ち越し。 今日は久々の通勤と細かい作業でドッと疲れが出てしまった。 いつも通る道が工事中で、行きは迂回路を通るにしてもさほど大変ではないのだが、帰りは道路にbump(バンプ)だらけという道を通らなくてはならず、一カ所バンプに気付かずに、止まりそうなスピードに落とす余裕が無く乗り越えてしまったので、それでなくても痛んでいる腰に更に衝撃がきてしまった。 普通はバンプのある箇所には警告の標識が立っているとか、盛り上がっている部分には目立つ色の縞模様が描かれていたりするものだが、その道の2カ所は標識が無く、1カ所は街路樹に隠れて微かに見えるだけで、隆起部に目立つ色が付けてあるわけでもなく、ただ盛り上がっているだけ。その道を通り慣れていない人には全くもって『腹の立つ道路』である。 明日は違う道から返って来ようかな・・・Google Mapsで検索しなくちゃ。 ▲
by kiwidinok
| 2010-01-11 22:59
| Antique Restoration
先週の修復スタジオは、クリスマス前に仕上げて納品しなければならないものの作業に追われて、ラジオから流れて来る音楽に合わせて口ずさむなんてこともせず、ただ黙々と仕事をし続けていた。
中でも一番大変だったのが、この2体のネコ(?)(ヒョウ? チーター?)。 ![]() 片方のボディ側面は、誰かが割れた部分を一生懸命くっ付けようと頑張ったのだろうが、残念なことに非常にガタガタにくっついてしまっていたため、パテで埋めて形を整える際に、まだ慣れていない私は四苦八苦した。 ![]() ![]() この素材はとてもソフトなため、一旦接着剤でくっ付けられたら、他の部分にダメージを与えないで剥がすことは不可能なんだね?とボスに聞くと、その通りだと言っていた。 パテ埋めをして、形を整えながら余分なパテを取り除いていくのだが、パテと同時に凸凹になって出っ張っている表面を削ってしまうので、私は躊躇しながら作業をしていたのだが、しばらく格闘していた私に、ボスが「まだ削り取るのが足りない」と言ってガガッと大きく削り取っていった。 元の状態に戻すために、元の素材を傷つける必要がある場合がある。 私にはまだそこのところの判断が難しくて、時々遅々として作業がはかどらないことがあるのだ。 まぁ、これも慣れなのだろうが・・・ もし、大切な物を壊してしまって、直して手元に残したいという気持ちが少しでもあったら、よほど自分の腕に自信がある人以外は下手に手を加えるべきではないなと思った。 下手にくっ付けてしまうと、それを穴埋めするのに余計に時間がかかり、費用もかさみ、原型が損なわれる確率が高くなるということを、しっかり頭に入れておこう。 ネコで思い出したが、最近隣に住むネコが、駐車場で私を見つけると一目散に駆け寄って来るようになってしまった。 私の車に身体をすりつけたりして、それから車の後ろでゴロゴロしている。 その後、私にくっついてスタジオに入ろうとするので、入って来られないようにするのに苦労している。 駐車場に車を停めるのも、ネコが近くに居ないかどうか注意深く周りを見回さなくてはならなくなってしまって、厄介なことである。 あっ、そういえば、最近プードルネコを見てないな・・・どうしたんだろう?どこかに引っ越したのかな? 少し前に私がパテ埋めまで終えたマオリのdecanter。 ![]() ボスが色付けを終え、修復が完成したのがこちら。(撮影環境が違うので、写真の色がかなり違うが) ![]() ![]() あれ?修復した痕が残ってる?と思って大きな画像で確認したら、この線はオリジナルなものだった。ボスは依頼された部分の修復だけにこだわり、出来得る借り他の部分の『歴史』を塗り替えることはしないというのが、手の甲にいくつかの小さな傷が残っていることからもわかるだろう。 ▲
by kiwidinok
| 2009-12-20 03:53
| Antique Restoration
自分のスタジオに隠って、ランプシェードを直していた。
ペコペコに凹んだり歪んだりしていた真鍮の部分を外し、 ![]() こんな風になったのを先日ボスに見せたら、(゜ロ゜)ギョェという顔をしていたが(笑)、使えそうなケイムはそのまま使い、どうしようもないものだけ新しいものと交換した。 ボスがケイムの部分の色は古い部分に合わせてペイントすると言っていたが、ランプシェードってけっこう熱くなるものだし、ペイントが簡単に落ちるようじゃ困るよなぁと思って、2色のパティーナを所々まだらにつけて古く見せておいた。フラックスの種類に寄ってもパティーナの色が若干違って来るので、外側と内側のケイムの色の違いに合わせて使い分けた(私はこれで充分だと思うんだけど・・・)。 作業が終わって同居人に見せると、「これ、あのすごかったランプなの?!同じものとは思えないね」と驚いていたが、やはり私達の趣味とはかなり違う。 ![]() 正直な気持ちを言わせてもらうなら、ガラスをしっかり同じ大きさに揃えて削り直し、ケイムを全部取り替えて、美しく仕上げたかったなと、故意に雑に作らざるを得なかったことを非常に残念に思った。 ▲
by kiwidinok
| 2009-12-19 15:13
| Antique Restoration
ボスが依頼を受けてきた、100年前のものらしいランプシェード。
![]() ![]() ![]() ![]() 落としてボロボロになっているのを修復中。 修復のプロとステンドグラスのプロの考え方はだいぶ違う事を知った。 ステンドグラスのプロは、オリジナルな状態に戻す事に修復のプロほど執着していないように思う。それよりも、強度を重要視し、割れたガラスは取り除いて新しいガラスを入れ、ランプとしての完璧な状態に戻そうとする。 一方修復のプロは、第一にアンティークとしての価値を優先する。 割れたガラスを接着し「そのもの」を使う事に価値があると考える。銅線の汚れは汚れたままにし、年代を感じさせるように神経を使う。そのため、新しくハンダを盛った箇所は私の作業が終わった後ボスがペイントし、オリジナルな部分と同じ色合いに調整することになる。(ススやら油で汚れたような色をそのまま残すとのこと) 私は両方の仕事をする立場として、出来得る限りオリジナルな素材を使い、もちろん強度も重要視しなくては気が済まないため、どうしたらいいかをしばらく考えていたが、ようやく歪んだ真鍮部分を外し、作業に取りかかったところである。 ステンドグラスに関しては素人のボスに、どのようにすすめていくかを説明したが、ボスは全く初めての仕事を、修復業一年生(たった2ヶ月)の私にほとんど全て任せるという、出来上がりを見るまでは心配し続けるであろう依頼となったが、「心配しなさんな」と笑顔を向けてあげたら、心配そうに笑顔を作っていた(笑) 最終的には、ボスではなくクライアントが満足すればいいわけだから、割れたガラスは私がたまたま持っていたほとんど同じに見えるガラスで代用することに合意し(素人には見分けがつかないほど似ているガラスなので、何ら問題はないでしょう)、代用できないものについてはボスが後で修復を施すことになる。 問題は、使われているケイムの幅が狭く、こちらでは売られていないので、手元にある一番狭い幅のケイムを半分に削って使用しなくてはならない事。 これが一番難儀な作業である。 時間があればアメリカのサプライヤーに問い合わせることもできるのだが、クリスマス前までに仕上げてクライアントに渡さなければならないので、それもできず。 そして、雑な作りに倣って、不本意ながら雑に作ることになる。修理したところだけ綺麗に出来ていたら違和感があるので、そうせざるを得ない。 これは『修復』スタジオで受けた仕事で、ボスに全ての責任がかかるということをしっかりと頭に入れて・・・ さぁ、明日から自分の工房に隠って仕事だ。 ▲
by kiwidinok
| 2009-12-16 21:11
| Antique Restoration
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